物語を書き換えてみましょう
人は長く生きれば生きるほど、楽しい事も辛い事もたくさん出てきますね。本当は楽しい事ばかりが続けば言う事はないのですが、そうもいかないところが人生の奥深いところかもしれません。なぜ、世の中に辛い事、悲しい事、不幸な出来事があるのか?人によって様々な答えがあると思いますが、私は幸せな事を本当に幸せだと感じるために不幸な事があるのだと思っています。
ただ、やはり不幸な出来事や辛い出来事は、本当に多くの人を当たり前ですが苦しめます。「学校でイジメられた」「両親に辛い目に遭わされて・・・」「人前で大きな恥をかいた」など、その辛い出来事は、その時だけでなく、その後も大きく、その人の人生を左右してしまいます。たいように来られる人の多くも過去の自分自身の辛い体験や悲しい経験に苦しめられている方がほとんどです。過去に受けた辛い出来事は、自分自身で書き換えていないと、その後、様々な形でその人の人生に悪影響を与えていきます。そう、人はよくマイナスな出来事を元に、自分に対してマイナスな人生の物語を作り、「自分は○○な人間だ」と決めつけて生きてしまうのです。
「イジメられていた」→「自分は弱い人間だ」・「人前で目立ってはいけない」
「両親に辛い目に遭わされた」→「私を愛してくれる人はいない」・「私は人に好かれない」
「人前で大きな恥をかいた」→「人前で話すと恥をかく」・「人間関係は苦手だ」
など、その不幸な出来事に基づいて自分の価値観、自分の人生の物語を意識的にではなく無意識に形成してしまうのです。
その自分の人生の物語を決めてしまった結果、新しい事に挑戦できなかったり、ネガティブ思考になったり、失敗を過度に恐れてしまったり、人生をこころから楽しむ事が出来なかったりしてしまうのです。
では、この悪い自分の人生の物語をより良いモノに書き換えるためには、どうしたらよいのか?様々な方法がありますが、今回は簡単なモノをお伝えします。紙とペンを用意して、
1まずは「今までの人生で辛かった出来事」を詳しく書き出します
2その時の感情と、その出来事は自分の人生にどんな影響を与えたかを書きだします。
3その「今までの人生で辛かった出来事」で自分の人生にプラスになったことを「そのお蔭で」という書き出しで5個以上書き出してみてください
4③を元に「今までの人生で辛かった出来事」を新しい物語に書き直してみてください。
例を挙げて見ます。
1小学校、中学校と同級生にいじめられ続けていた。学校に行くのが嫌で仕方なかった
2私は毎日、辛く、悲しい気持ちで過ごした。今日はもっとひどい目に遭うのではないかとビクビクして毎日を過ごしていた。私はそのせいで、人前に出るのがとても怖くなった。人と本音で語り合うのが怖くなった。人を簡単に信用しなくなった。
3私はそのお蔭でイジメられている人の気持ちが分かるようになった。私はそのお蔭で人をイジめる事をしなくて済んだ。私はそのお蔭で人を簡単に信じず、こころから信頼できる人を見極められるようになった。私はそのお蔭で普通の人よりも多くコミュニケーションを勉強する事ができる。私はそのお蔭で・・・
4私は小学校、中学校でイジメられていた。そのお蔭で私は人間観察が鋭くなり、ほとんどの人が勉強しないコミュニケーションについて学ぶ事が出来る。私はイジメが良くない事を、こころから知る事が出来、人に対して優しい気持ちで接する事ができる。
どうでしょうか?辛い出来事の痛みを忘れられないという方もおられるでしょう。ただ辛い出来事には、往々にして、逆のプラスの側面がある事を知っていただけたかと思います。つまりどちらを見て生きるのか?という事です。辛い出来事、悲しい出来事が、あなたをより大きく育てている事もたくさんあります。あなたも自らの力で辛い人生の物語を新しいポジティブな物語に書き換えてみてください。