健康・お金・結婚
健康、お金、結婚。この3つに共通する事を、あなたは分かるだろうか?
これら3つの事は、人が自分の幸せを考えた時に、最後の目的だと思いやすい。例えば、「ジョギングして健康になるぞ」とか「結婚して幸せになるぞ」とか「お金持ちになって幸せになるぞ」とか人生で一度は考えた事が、あなたにもあるのではないか?
ところで、あなたは次のようなケースをどう感じるだろうか?
会社である商品を売る事になった。ノルマは1人10個、1代30万円だから、1人300万円分を売らなければならない。期間は1か月。あなたは必死に売った。頑張った。あなたは無事、その商品を10台売る事に成功した。上司は喜んだ。「頑張ったな!」。あなたは疲れたが、良かった良かったと胸を撫でおろした。
この話に、あなたは違和感を覚えないだろうか?この話には根本的な問題がある。それは目的が抜けているのだ。「何のために?」が一切出てこず、ノルマだけが告げられている。この商品は一体、何のために1人10台売る必要があったのか?製造元から言われたから?そんな目的で、あなたは納得して動けるのか?このように目的がなく、手段が目的になっている例は多数、存在する。
定期的な会議や朝礼の意味が分からない。誰も見ない報告書がある。など、どの会社でも目的のない業務は存在する。
これを「手段の目的化」という。手段が目的になってしまっている状態だ。
では、最初に話に出た、健康、お金、結婚は目的なのだろうか?健康になれば幸せなのだろうか?健康になって、何かの目的を果たすから健康になりたいのではないだろうか?お金についても、「3億円あげる。でも一生この3畳一間から出てはいけない」と言われて、ほとんどの人が拒否するならお金は人生の目的ではなく、お金を使って何かの目的を達成する事が大切なのだろう。結婚は、言わなくてもわかるとおり、結婚が目的ではなく、結婚をして自分の人生の目的を達成するための土台を作るものだ。ちなみに結婚を目的にしてしまうと離婚しやすくなる。
病気になると健康になりたいと思う。お金が無いとお金がいっぱい欲しいと思う。一人で寂しいと結婚したいと思う。大切な事は、この3つとも、あなたの人生を幸せにするという目的の手段に過ぎないということだ。「何のために健康になるのか?」「何の為にお金が必要なのか?」「何のために結婚するのか?」を明確にしていないと、それを手に入れても人生は上手くいかない。それらは手段だからだ。
あなたは何のために健康になりたいのか?何のためにお金が必要なのか?何のために結婚したいのか?一度じっくり考えてほしい。そうすれば、健康も、お金も、結婚も手に入りやすくなる。
【政経レポート R3.6月5日号 掲載】